重富美流、美味しいお酒の選び方 酒名と地域特色編

 メールにて一番問い合わせが多かったのは、うまい酒を選ぶにはどうしたらいいの?という質問でした。
極論を言えば、まあ、飲んでみなければわからないので自分にあう酒を見つけてね・・・としか答えられないんだけれど、なるほど、わたしみたいに酒卸売り業 者に勤めているような幸運な奴を除けば、汗水たらして働いて稼いだお金を出して購入するわけですから、店にある酒を片っ端から封を開けて飲んでみるわけに もいかないので、結構、切実な問題ですよね。

わたしにも経験があります。
金のない大学時代、やっと入ったバイト代で思い切って買った酒がまずかったときのショックたるや、もう、死んでも死にきれないと思うくらいに悔しいものでしたからね。
と、言うことで今回から、しばらくはうまい酒を選ぶためのヒントをお話ししましょう。(答えにはならないけれど、これをある程度知っていれば目安にはなると思うよ。)

まず、うまい酒を飲むためには、その酒の中身を知らなければいけないんだわね。
中身を飲まないでそれを判別するには、瓶に貼られたラベルの見方を知ることで、ある程度の目安にはなるわけです。
普通、酒瓶には肩と胴にラベルが貼ってあるはずです。
まず、酒屋に行ったらそれを真っ先に見るべし。
そうすると、書いてあるある・・・唯一の手がかりが・・・・
もう、気分は探偵、金田一耕助か、明智小五郎か・・・はたまた金田一少年か名探偵コナンか・・・(^^)

ここに書いている情報は多ければ多いほどいいんだけれど、最低明記しなければならないとされているのは、酒の素性を示す銘柄(ブランド名)、蔵元名とその住所、原材料名、アルコール度数、製造年月日なのです。
それに、普通酒と呼ばれる酒以外は製造方法が記されているはずです。
そこで、酒好きなら心得ておきたい幾つかをここでご説明しますが、なが~くなってしまうと思うので第一回目は、「酒名と地域特色編」とでもいいましょうか・・・入門編ですね。(^^)

まずは、誰でも絶対見る酒名からお話しましょう。
ブランド名ではありますが、最近では一つの蔵元が幾つかの酒名を持ったり、何軒かの蔵元が共同銘柄で出荷したり、共同で醸造した酒へそれぞれが独自の酒名 を貼ったりして出しているので、だいぶわかり難くなっていますし、似たような名前が多いのでプロのわたしだって困ってしまいます。(^^;;;

例を上げれば通称「鬼ごろし」という名前を使っている酒は全国いたる所にありますし、本来の銘柄でも「~~正宗」なんていう名は、それこそ一番多いで す。(ちょっと考えただけでも有名な灘の菊正宗、石川県の福正宗、岐阜の久寿玉正宗、岡山県の吉備正宗、それに秋田では由利正宗、なんてのがあります。)
この「正宗」銘の元祖は、歴史ある灘の「桜正宗」で正宗は音読みすると「せいしゅう」=清酒になるということで名付けられたようです。
現在呼ばれている「まさむね」に変わったのは、名刀で知られる正宗の鋭い切れ味にあやかって飲み口のスッキリした点をたとえて名付けられたからで、これにあやかろうと全国に「~~正宗」が次々にできて現在は実に三百以上もあるんだそうです。
(あやかろうと思っても、そうなってないお酒もありますので誤解しないように・・・)

ついでに、次に多いのが縁起のいい「鶴」(菊正宗の分家の灘の白鶴を始め、賀茂鶴、土佐鶴など)。
ですが、縁起が良くても「亀」はなぜか少ないのです。(なぜか大笑)
植物でダントツなのは「菊」、二番手は「桜」、「梅」や「牡丹」も結構あります。
また、東北では「~~川」、関東甲信越では「~~山」、近畿などでは「~~美人」という銘柄などが目立ちます。

ですから、銘柄は良く確かめて買った方が良いと思います。
「この前飲んだうまい酒、・・・ええ~っと、なんとか正宗だったよな。」なんて感じで選ぶととんでも無いことになってしまうかもしれませんので、気をつけましょう。

次に見るのが・住所、蔵元名なのです。
自分の好きなお酒の蔵元の名前は是非覚えておきましょう。同じ蔵元でしたら趣向が似たお酒なはずですので、大はずれを選ぶことはあまりないと思います。
また、住所は製造地ですから、これを目安に選ぶのも楽しいと思います。
お酒は風土によって味わいが異なるものですから、特色を自分なりに評価しておけば傾向はだいたいですが見えてくるはずです。
もちろん、秋田の酒はおおむねOKなはずですが、まあ、秋田の酒は製造量四万六千キロリットルの半分を県内で消費し、残りが県外出荷、しかも、県産酒の 県内シェアは九九%強と地元の高い指示を得ていますから、あまり県外では見つからないと思いますけど・・・探したら、迷わず買いましょう。(^^) (有名ブランドはちょっと考えた方がいいけど・・・)

あと、今は「地酒ブーム」なので本屋さんに走れば、いろんな地酒を紹介した本などがありますから、その中に、日本酒の県別甘辛分布図(だいたいは「国税庁鑑定企画官調べ」となっていると思います。)が載っていると思います。
それをまずは参考にすると良いと思います・・・が、、、これはわたしはあまり信用できないと思っています。
自分の出身県か好きな地域の分布が、自分の舌と同様に感じるように表示してあれば判断材料になるとは思いますが、わたしが見たところ、本によってもまちまちの分類をしています。
これは、調査した年度によっても違うみたいですので、まあ、一番新しい調査結果を参考にする事をお勧めします。
なぜなら、ある時期、辛口が流行したときは、見事なほどに全国一緒の分布色に塗り替えられた時期もありましたからね。
それに、甘い辛いで判断するのはわたしは疑問に思っているので、あえてここでは載せていません。
興味のある方は本屋さんで立ち読みしてみると良いと思います。

さて、次回はいよいよ原材料の事をお話しします。
純米酒だの大吟醸などいろいろ名前がありますけれど、それの説明をしようと思います。
それでは、お楽しみに・・・

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